ずっと、何事にも動じない人になりたかった。
器が大きい人になりたかった。
ちょっとしたことで落ち込んだり、くよくよしてしまう自分がいやだった。
「器が大きい人」でイメージするのは、漫画『ワンピース』に出てくる、シャンクス。
自分が虐げられてもニコニコしているけど、友だちを傷つけられたら全力で怒る。
ワンピースは、「何よりも仲間を大切にする」を体現した作品だなぁと思う。
ルフィが子どもの頃、海で溺れたルフィを助けたシャンクスは、片腕を失くしてしまうんだけど、そのとき言った言葉が
「安いもんだ 腕の一本くらい… 無事でよかった」
かっこよすぎるだろ……、と思った。
誰かを守るために、自分の身体を差し出せる懐の深さ。そして、欲の無さ。
「自分よりも仲間を優先する」って、すごい生き様だなあと思った。
(ワンピースの麦わらの一味のキャラクターはどれも、そんな一面があるよね!)
そんなふうに私もなりたいと思った。
大きな愛を体現した人になりたかった。
でも実際は、「ありたい自分」を優先しすぎて、現実の自分は追いついていなかった。
私は背伸びして、仕事で自分よりもチーム全体を見ようとしていた。
本当は悲しいことがあっても、そういう姿は見せてはいけないと、明るく振る舞っていた。
自分でも気づいていないくらい、無意識に無理をしていた。
そんなふうに過ごしていると、だんだん自分と他人との境界線が曖昧になっていった。
そしたら、ある日「もう無理」になった。
勝手に涙が出たり、天井を見てベッドから張り付いたまま動けなかったり。
知らず知らずの間に、自分の心は傷ついてきたとわかった。
器以上のことをやってきたとわかった。
小さなことで傷つく自分が嫌だったけど、
「傷つくことならそれは自分にとって小さいことではない」とわかった。
自分の心の動きに鈍感な人が
他人の心の動きにきづけるはずがない
誰かを幸せにさせたいなら、まずは自分から。
自己犠牲をするって意味じゃない。
自分をないがしろにするわけじゃない。
幸せの天才
何をしたら嬉しいか
何をしたら悲しいか
いつも自分の心に聞いて
私は自分のこころに嘘をつかなくていい。
傷ついたら、「傷ついた」って感じていい。
伝えるのが可能であれば、それを相手に伝えてもいい。
傷ついてないふりをするのが理想じゃない。
器なんて小さくてもいいから、自分の心に正直でいたい。
自分にとって、何が「取るに足らないこと」で
何が「譲れないこと」なのかを知る必要がある
これってすぐに身につくものではなくて
他人優先したり、自己中になってみたり
ジグザグを繰り返しながら、いいバランスに落ち着くものなんだと思う。